目次
ヒアルロン酸の治療例
ヒアルロン酸による頬のリフトアップ ~当院で一番人気の部位です
頬が少しだけふっくらするだけで若々しく見えます 即効性があり、分かりやすい効果
加齢と共に、頬(青い線で囲まれた部分)にある脂肪のボリュームが減ってきます(ゴルゴラインとも呼ばれます)。相対的に顔の下の方にボリュームが出てしまいたるんで下がったイメージになります。また、若い頃と違い、顔がでこぼこしてきます。 進行すると目の下のクマや法令線も目立ってきます。 これらは、老け顔や疲れたような暗い印象を与える大きな要因のひとつです。 これらを解消するために、ヒアルロン酸を注入して失ったボリュームを復活させます。
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頬ヒアルロン酸治療前 -
頬ヒアルロン酸治療後
頬上部にヒアルロン酸を注入し、頬の凹凸を改善し、頬の位置を上げます(ドールチークとも言われます)。 頬の上部で光が反射することにより、顔が立体的に小さく引き締まって見えます。 特殊な注射針を使用して優しく慎重に治療するので、治療時の痛みもほとんどなく、治療直後の写真でも治療の痕跡はほとんど見えません。 頬中央部の赤い点が唯一の注射跡です。 この症例の場合の注入量は、両側で合計1㎖(1本)のみです。 リフトアップに有効とされるヒアルロン酸注入法はいくつかありますが、大量のヒアルロン酸を使用する(=費用が高い)割には、効果の分かりにくいものが多い中、この方法は大変効果が分かりやすいです。 しかも、頬は血管塞栓などの重篤なリスクが比較的少なく、ヒアルロン酸の持続期間が長い場合が多い部位です。 したがって、頬のヒアルロン酸注入は比較的安全でコストパフォーマンスの高い方法だと言えます。 ※この部位に大量に注入すると、顔がパンパンの印象になり、違和感が強い見た目になってしまいます。当院では、この部分へのヒアルロン酸注入は不自然にならない範囲での控えめを基本としていますので、どうぞ安心してご相談ください。 ※画像修正などは一切行っていません。
頬のヒアルロン酸のまとめ
- ヒアルロン酸を注入するだけでリフトアップして見える
- 目の下のクマや法令線が目立ちにくくなる
- 頬の毛穴が目立ちにくくなる
- 注射なのにほとんど痛くない
- 治療の跡が目立たない
- 即効性があり効果が分かりやすい
- 効果の持続期間が長い場合が多い
- コストパフォーマンスが高い
- 重篤なリスクが少ない部位で安全性が高い
ヒアルロン酸で法令線を浅くする
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法令線のヒアルロン酸治療前 -
法令線のヒアルロン酸治療直後
法令線のヒアルロン酸治療前・治療直後の写真です。 もともと法令線がそれほど目立っているわけではありませんが、治療後は法令線の影が明らかに浅くなっています。 写真から、治療直後にもかかわらず治療の痕跡がほとんど見られないことが分かります。 赤い矢印の1点のみ極少量の局所麻酔をし、特殊な鈍針を使用し注入するので、痛みがほとんどなく、治療後はほとんど目立ちません(よく見ないと分からない赤い点が注射の跡です)。 通常の注射針を使用した従来のヒアルロン酸治療のような、何回も注射することによる強い痛みや腫れ・内出血によるダウンタイムはありません。 注入量は法令線両側で合計1㏄のみです。 ※画像修正などは一切行っていません
ヒアルロン酸注入とは? ~痛みが少ない、目立たない、効果が長い
法令線やゴルゴライン、マリオネットライン、目の下のクマなど「たるみによりできたしわ」には、ヒアルロン酸注入が有効なケースが多いです。 ヒアルロン酸治療は、皮膚内または皮下に、身体に優しい透明ゼリー状のヒアルロン酸を注入して、そのボリュームによりしわを持ち上げるというシンプルな方法です。 即効性があり分かりやすい効果 持続期間が長い場合が多い(効果長持ち) 特殊な注射針を用いて組織を傷つけないよう優しく丁寧に治療すれば、安全・痛みが少ない・ほとんど目立たない
ヒアルロン酸治療のメカニズム
他の素材ではなく、“なぜヒアルロン酸なのか?”
・アレルギーが少ない⇒安全 ・溶かすことが出来る⇒リスクに対応できる安全性、 元に戻せる安心 ・きれいに仕上がる ・持続期間が長い⇒効果長持ち
ヒアルロン酸のように、皮膚や皮下組織のボリューム改善のために使用される素材をフィラー(皮膚充填剤)といいます。 フィラーの歴史は長く、古くは約30年前に日本で牛由来のコラーゲン製剤が使用されて以来、多くの種類のフィラーが登場しては消えています。 ヒアルロン酸に関しては、約20年の歴史があります。 当院で現在使用するフィラーはヒアルロン酸のみです。 他の素材のフィラーもありますが、今のところ使用する予定はありません。 その理由は、現時点においては、他の素材のフィラーに比べてあらゆる点でヒアルロン酸が優れていると考えているからです。 たくさんの素材が様々な理由で淘汰されて消えていく中、20年もの間安定してヒアルロン酸が使用され続けていることには、それなりの理由があります。
安全性
アレルギー(異物反応)の少なさ
とても重要な要素です。 いくら効果が高くても、安全でないものに意味はありません。 注入用ヒアルロン酸はバイオテクノロジーにより作られた非動物性安定化ヒアルロン酸です。 コラーゲン製剤などの動物性蛋白質に比較して圧倒的にアレルギーの可能性が低いことは容易に想像できます。 実際、コラーゲン製剤では必要なアレルギーテスト(皮内反応)などは不要です。 ヒアルロン酸を使用し始めて以来15年以上になり、明らかなアレルギー反応を一度も経験したことがありません。
溶解注射が存在すること
この要素が最も重要かもしれません。 ヒアルロン酸には「ヒアルロニダーゼ」という酵素の溶解注射製剤が存在します。 これをヒアルロン酸注入部に注射すればヒアルロン酸を溶かすことが出来るのです。 患者様にとって不本意な結果になってしまった場合、速やかにリセットできることは大きな安心につながります。 しかし、もっと大切なのは何かの合併症(血管塞栓など)が生じたもしくはその兆候が認められた場合です。ヒアルロン酸であれば、溶解注射でダメージを最小限にできる可能性がありますが、他の素材では溶解できないため、より重篤なダメージになってしまうことが考えられます。 溶解注射があるのは、今のところヒアルロン酸だけです。 大きなダメージを残してしまってから後悔しても遅いのです。 ※「なぜフィラーは吸収されるものばかりなのか?」についてはこちらをクリック!
持続期間が長い
ヒアルロン酸の種類・注入の仕方・注入部位の特性にもよりますが、ヒアルロン酸の効果の持続期間は一般的に考えられているより「とても長い」ことが多いです。 実際に治療を経験された方であればご実感頂いているはずです。 一般的に考えられているヒアルロン酸の持続期間は6か月前後、長くて1~2年であり、「ヒアルロン酸とは定期的に注入しなければならないもの」という認識が一般的です。 しかし、実際にはそうでないことが多く、効果が何年も持続することがあるため、決して「定期的に注入しなければならない」という治療ではないと認識しています。 長い持続期間を謳ったヒアルロン酸以外の素材のフィラーも試したことありますが、ヒアルロン酸以上のメリットを見出せませんでした。 ※ヒアルロン酸の持続期間が長い理由についてはこちらをクリック!
仕上がりの良さ
素材の色
ヒアルロン酸は無色透明のゼリー状の液体です。他の素材のように白色などの色がついていないため、皮下浅層に注入した際に、色が透けて見えることが気になる可能性が低いです。 ただし、目の下など皮膚の薄い部位の浅い層に多く注入した場合には光の吸収で青く見えることがあるので注意が必要です。
素材のなめらかさ
ヒアルロン酸は非常に滑らかな素材です。それだけに、注入時に余計な力を加えることなくスムーズに注入が可能で、このことが仕上がりに大きく影響します
粒子のサイズによる種類が豊富
粒子の小さいものから粒子の大きいものまで各種の製品が揃っています。 粒子の小さいものは、組織を持ち上げる力(矯正力)は弱いですが、皮膚の浅い層に注入しても凹凸になりにくいという特性を持っています。 逆に粒子の大きいものは矯正力が強く、皮膚の厚い部位や深部への注入治療に向いています。 このように、粒子の大きさによる製品のレパートリーが豊富なので、部位による使い分けや併用などが可能です。 一般的には、粒子が大きいほど持続期間が長くなるという認識があるようですが、当院の経験上そのような印象はありません。 粒子の小さな製品(ソフトなもの)でも持続期間が長い例は多いです。
まとめ
以上より、ヒアルロン酸がすべての点において優れていると感じるため、あえて他の素材を導入する理由はありません。 ヒアルロン酸を超えるメリットがいろいろと謳われている素材もありますが、実際使用して、そのメリットを実感できたことはありませんでした。 当院では、ヒアルロン酸を上回る素材が開発されるまでは、ヒアルロン酸のみで治療を行う予定です。
当院のヒアルロン酸注入治療の特徴
さまざまな素材のフィラー(皮膚充填剤)が存在しますが、当院において、しわや組織のボリュームの改善に使用するフィラーはヒアルロン酸のみであり、コラーゲン製剤やカルシウムハイドロキシアパタイト製材は使用しません。 当院では、ヒアルロン酸のみを使用するしわ治療専門クリニックとして、ヒアルロン酸注入治療に対するこだわりがあります。
【特徴1】 ヒアルロン酸を“どの深さにどのように”入れるか 注入技術は仕上がりと安全性に大きく関わります
ヒアルロン酸注入は、ただ注射して膨らませればいいという単純なものではなく、安全に、そして自然できれいに仕上げなければ意味はありません。 時に取り返しのつかない重篤な合併症を起こしてしまったり、とても不自然な仕上がりになってしまうことがあるのも、ヒアルロン酸注入の特徴といえます。 使用する薬剤の種類や量が同じでも、注入技術により仕上がりは全く異なります。 繊細で優しいタッチは、注入時の組織のダメージを少なくし痛みが少ないばかりでなく、施術後のダウンタイムを最小限に減らします。
【特徴2】 体内に入れるものだけに品質は大切 確かな品質の素材だけを使用
ヒアルロン酸製剤は、たくさんの種類・銘柄があり、生産国・製法・特性が異なります。 注入に使用する注射器の使いやすさや滑らかさは注入時の技術に、製法の違いは矯正力や滑らかな仕上がり、持続期間に影響します。 当院では、厚生労働省より医療機器製造販売承認を受けた製品や、品質の確かな信頼できるブランドのものだけを使用します。 どうぞご安心してお任せください。 当院で使用するヒアルロン酸については、下に詳しく説明しています。
【特徴3】 特殊な注射針(カニューレ)を使用します
当院では、ほとんどのヒアルロン酸注入で特殊な注射針(カニューレ)を使用します。 これによって得られるメリットは絶大です。 痛みの軽減、ダメージの少なさ、仕上がりの滑らかさ、そしてなにより合併症の回避です。 この特殊な注射針の開発・登場によって、ヒアルロン酸注入は全く別次元へと進化したと言えます。 一昔前のヒアルロン酸注入治療とはあらゆる面で比較にならないほどです。 普通の注射針を用いた以前のヒアルロン酸治療しか知らない患者様は、現在んの方法を体験されると、とても驚かれることが多いです。 ヒアルロン酸注入治療のための特殊な注射針について
【特徴4】 痛みに対する最大限の配慮
注入時の痛みに対して、最大限の配慮をいたします。 ご希望により、シール型の麻酔、極細針を使用する注射の麻酔、冷却などを併用します。 しかし、それより重要なのは、注入の仕方です。 上記の特殊な注射針を用いて、正しい深さに優しく繊細に少量ずつ注入していきます。 患者様によっては、注入されていることさえ分からないくらいの無痛を実現できることもあります。 実際、治療中に寝てしまう患者様も多いです。 痛みが心配で、ヒアルロン酸注入治療を躊躇されている方は、ぜひご相談ください。
【特徴5】 安全でなければ意味はありません ヒアルロン酸を適正使用します【とても重要です】
安全性には最大限の配慮をします。 ヒアルロン酸の最も重篤な合併症は血管塞栓(皮膚壊死や失明など)です。 この合併症は、顔面の解剖を熟知し、血管の走行をしっかり把握し、前述の特殊な注射針を適切に使用することにより最大限避けることができると考えています。 そして、本来であればあえて記載する必要のないことなのですが、以下の当たり前をしっかり守ります。
いくら安全性の高い素材を使用していても、施術者の不適切な考え方や操作によっては、容易にその安全性を失います。
・清潔操作を徹底します。 ・ヒアルロン酸注入治療は施術後の管理が重要です。患者様にしっかりと説明し理解して頂きます。 ・患者様一人につき1本の製品を使用、1回の治療ですべて使い切ります。1本の製品を多数の患者様に使いまわすことは体液を介した感染症のリスクがあり絶対に行いません。 また、不潔になる可能性のある保存(ボトルキープなどと言われています)などは細菌感染症のリスクを避けるため、絶対に行いません。 ※一般的に、ヒアルロン酸注入による血管塞栓のリスクを避けるため、注入中のシリンジ(注射器)に陰圧をかけて血管内に針先が入っていないかを確認する操作を行います。この操作を行った時点でシリンジ内には、そのとき治療を受けている患者様の体液などが混入する可能性を否定できません。 ・1本の製品に別の製品や医薬品を混ぜたり、1本の製品を小分けにして多数の患者様に使用することは細菌感染症のリスクを避けるため、絶対にありません。 ・使用期限切れなどの製品を使用することは絶対にありません。
どうぞご安心してお任せください。
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- 治療前に患者様の前で新品の開封を確認していただきます
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- ヒアルロン酸には安全な使用期限が存在します。
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- ヒアルロン酸は1回の治療で使い切りが原則であり、再使用が禁止されています。
当院で使用するヒアルロン酸のブランドとは?
アラガン社ジュビダームビスタシリーズ(厚労省承認) ガルデルマ社レスチレンシリーズ(厚労省承認) ガルデルマ社レスチレンヴィタールライト(表情ジワなど) TEXANE社テオシャルリデンシティーⅡ(スイス製、目元のみ)
体内に留置させる物質である以上、大切なのは製品の安全性です。 当院では、高度管理医療機器として、日本国厚生労働省の承認を所得している2つのブランド【ガルデルマ社レスチレンシリーズとアラガン社ジュビダームビスタシリーズ】をメインに使用いたします。 ヒアルロン酸には多くの種類があり、生産国や品質もさまざまです。 アラガン社のジュビダームビスタシリーズは2014年3月に日本国内において初めて製造販売の承認を所得した信頼できるブランドです。
ガルデルマ社のレスチレンブランドは、1996年に非動物由来安定化ヒアルロン酸皮膚充填剤として世界で初めてCEマークを所得した老舗としての歴史があります。 現在の製品は、それ以来20年間に及ぶ膨大な臨床経験をもとに研究開発されたものであり、100%非動物由来の原料を用いて、独自特許技術で製造されています。 2015年には、高度管理医療機器として、日本国の厚生労働省の承認を所得しています。
信頼性・安全性の次に大切と言えるのは、注入時の微妙な調節のしやすさ⇒製品の特性です。 ヒアルロン酸治療は、注入技術が大きく結果に影響し、その注入技術を支えるのが、製品の特性です。 いい技術を持っている医師でも、優秀な製品がなければ、良好な結果を生み出すことは難しいです。 これら2つのブランドが秀逸を極めているところは、安全性だけではなく、その均一性にあるのです。 微妙な力加減にも、完全に対応できるような高い均一性を持っています。 これに加え、注射針の穴と粒子の大きさとのマッチングや良く考えられたシリンジ(注射器)などとの相乗効果により注入操作性が高レベルであり、持続期間も満足いくものです。 ※治療前に使用するヒアルロン酸の種類は確認していただきますので、ご安心ください。
ヒアルロン酸注入治療の部位別特徴
法令線
法令線とは?
法令線は、最も有名なしわではないでしょうか。 頬と口周りの境界で、老化した皮膚や脂肪組織がたるんで下垂してくることにより、この法令線の外側にふくらみを作ります。 その結果、この境界の段差が大きくなり、影が目立ってきます。 これは、法令線のたるみじわとしての一面ですが、法令線の場合は、笑うことで起こる表情じわの一面も持ち合わせています。 老化した皮膚は滑らかさや弾力を失って、笑うことによって皮膚に加わる負担に耐え切れずに、折れ目がついてしまいます。 これが、法令線の表情じわとしての一面です。 ファンデーションなどがひび割れを起こす、もしくはファンデーションがしわに沿って溜まることを気にされる方が多いです。
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- 頬と口周りのエリアの境界のなだらかな段差。 このタイプが、たるみじわとしての法令線です。
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- よりはっきりと線状にしわが刻み込まれています。 表情じわとしての法令線です。
治療の特徴
どちらもヒアルロン酸注入治療で改善可能ですが、使うヒアルロン酸の種類、注入方法が異なります。 たるみじわに対しては、粒子が大きなヒアルロン酸をやや深めの層に入れて段差を少なくすることにより改善させますが、この方法で表情じわを改善するのは難しいです。 法令線のヒアルロン酸治療における患者様の不満で、一番多いのはこのパターンです。 表情じわは、より粒子が小さなヒアルロン酸を、極細の注射針を用いて、表層に注入しなければ改善は難しいです。(この方法で自然な結果を得るにはとても高度な技術が必要です。) しわの種類により方法が異なりますので、患者様がどちらを気にされているのかを治療前にしっかりと把握しないと、患者様にとって不満足な結果になってしまいます。
効果の持続期間
法令線に関しては、効果の持続期間はやや短めな印象です(特に初回治療)。 口周りは常に動いている部分であることが影響している可能性があります。 ただし、何度か繰り返し注入することで、かなり長い期間、効果が残存する例が多いです。
どこまで矯正すべきか?
法令線というのは、頬と口周りのエリアの境目ですから、この部分が完全に平らになっているのは逆に不自然と言えます。 どの部位にも言えますが、やりすぎは不自然な印象になりますのでお勧めしません。
改善が難しいケース ~笑うとエクボのように凹むシワ
笑ったときなどに、引きつるように鋭く凹む法令線のしわの場合は、ヒアルロン酸注入での改善は難しいかもしれません。 特に口角の横付近にできやすいです。 エクボのように、表情筋の動きがダイレクトに皮膚に伝わってしまうため、しわ部分の皮膚や皮下組織には物理的な負担が大きい状態です。 ヒアルロン酸は液体なので、このように物理的負担が大きい部位には安定して留まることが難しいためです。
目の下のクマ
目の下のクマとは?
クマは、頬と下瞼のエリアの境界です。 下瞼には眼窩脂肪という眼球を包むクッションのような脂肪の塊があり、 老化によって皮膚や皮下組織が緩むことにより、この脂肪が前方に突出してきます。 その結果、境界の段差が大きくなり、影となって目立つようになります(影グマ)。 また、頬にある脂肪組織のボリュームが減少することもクマが目立つ原因です。 目の下のクマに関しては、一般的に血流が悪いとか色素沈着が原因(色グマ)と思われていることが多いのですが、よく観察してみると、皮膚の色ではなく立体的な影を気にされていることがとても多いです。 カバー力の強いファンデーションやコンシーラーを使って、お肌の色を明るくしても気になるようならば、ほとんどがこの影グマです。
治療の特徴
治療としてはこの段差を、なるべく小さくすることを目指します。 外科的な方法を用いれば、眼窩脂肪の膨らみを減少させることで段差を改善させることが出来ます。 外科的な方法以外では眼窩脂肪の膨らみを改善させることは難しいため、逆に眼窩脂肪の膨らみの下の溝(影グマの部分)にヒアルロン酸を注入し、ふくらませることにより段差を改善させます。
効果の持続期間
持続期間は非常に長いことが多いです。 注入当時と変わらぬまま、何年も持続する場合もあります。
どこまで矯正すべきか?
目の下のクマは、法令線と違い完全に段差がなくても不自然ではないのですが、やりすぎると笑ったときに注入部位が不自然に膨らむようになってしまうので、注入量は控えめにするのが無難です。 また、もともと組織のボリュームが少なく、老化によるボリュームの変化が少ない部分なので、ヒアルロン酸注入によって不自然なボリューム過多の状態になりやすいため注意が必要です。
改善が難しいケース
以下のようなさまざまなケースで治療によって得られる効果が限定されることがあります。 ・眼輪筋の動きによって生じるクマの場合 ・眼窩脂肪が少なく目の下の膨らみ(目袋)が小さい場合 ・眼窩脂肪が多く目の下の膨らみ(目袋)が大きすぎる場合 ・この部位に存在するじん帯の影響 など 皮膚や組織が極端に薄い場合は注入したヒアルロン酸が皮膚を透して青っぽく見えたり、凹凸になりやすかったりするため注意が必要です。 また、頬のボリュームが極端に少ないケースは、クマの治療の前に頬のボリュームを改善させるためのヒアルロン酸注入をした方がいい場合があります。 ※以上のことは文章で説明するのが難しいため、詳しく知りたい方は診察時にお尋ねください。
マリオネットライン
マリオネットラインとは?
成り立ちは法令線と同様です。 頬と顎のエリアの境界で、頬が下垂することによりマリオネットラインの外側にたるんだ皮膚が溜まり、段差を形成することで目立ってきます。
治療の特徴
マリオネットラインに沿って、ヒアルロン酸を注入し、この段差を少なくすることにより改善させます。 皮膚にはっきりと刻み込まれているしわの場合は皮膚の浅い層に注入することにより改善が可能です。 口角を下げる筋肉にボトックスを注射し、筋肉の動きを弱めることが有効な場合もあります。
効果の持続期間
法令線と比べて、持続期間は長いことが多いです。
どこまで矯正すべきか?
頬がたるんでくるとマリオネットラインの外側のボリュームが増えます。 注入するヒアルロン酸が多いと、厚ぼったさが増してしまい余計にたるんでいるように見えることがあるため注意が必要です。
頬のボリュームダウン(ゴルゴライン、やつれ)の改善
老化によって起こる脂肪組織の減少や下垂により、本来はふっくらしている部位がボリュームを失い、顔がでこぼこした印象になります。 顔が長く見えたり、やつれてこけたように見えて、老け顔の印象になります。 ヒアルロン酸でこの部位にボリュームを補充し、立体的に均一な見た目を目指します。 頬上部(ゴルゴライン付近)に関しては、深い層にヒアルロン酸を注入することにより、頬の位置が上がり立体感が出て、顔が小さく引き締まって見えます。 ただし、多く入れすぎると頬が不自然に盛り上がったパンパンの顔(いわゆるヒアル顔)になってしまいますのでやや控えめがよいです。 頬側面部に関しては、骨などの土台がなく膨らませにくいのと、じん帯の影響を受けて均一に膨らませるのが難しい場合があることなど、必要とするヒアルロン酸の量が多い割には、満足度の高い改善が難しい部分です。 持続期間は長い場合が多いです。
表情じわ(額、眉間、目尻、口周りなど)
表情じわに関しては、部位によってはボトックス治療が第一選択です。 表情じわとは表情筋の動きが原因のしわで、表情を作っていないときにはしわが目立たない(=凹んでいない)のが普通です。 このようなしわに対して、ヒアルロン酸注入(=しわをふくらませる)をした場合、表情を作っているときにはしわが改善されているかもしれませんが、表情を作っていないときにはヒアルロン酸のボリューム分だけボリューム過多となり、みみず腫れ様の膨らみとなって逆に目立ってしまうことがあるからです。 ボトックス治療は筋肉を緩めることにより、しわをできにくくするだけでなく、皮膚自体の張力によってしわが引き伸ばされるという作用があります。 この作用により、表情じわの多くはボトックス治療のみで気にならなくなることが多いのです。 しかし、表情じわがある程度深く刻み込まれていて、表情を作っていなくても目立つ場合、ボトックス治療だけでは十分な改善が難しい場合があります。 このようなときに、ヒアルロン酸注入治療を検討します。 ただし、この場合も基本的にはボトックス治療後にヒアルロン酸注入を検討します。 表情じわができているということは、その部分の皮膚に表情筋による負担がかかっているとういうことを意味します。 このような状態に液体であるヒアルロン酸を注入しても、この負担により注入したヒアルロン酸がすぐに拡散してしまいやすく効果が持続しません。 ボトックス治療をしたがまだしわが気になるという場合にのみ、ヒアルロン酸注入を検討するという順番が望ましいです。 表情じわは皮膚表面のひび割れのようなものです。 他のたるみじわに比べるとしわの幅が細く浅いです。 このようなしわに対しては、通常のヒアルロン酸注入の方法だと改善は難しいです。 当院では、極細の特殊な注射針(鋭針)を用いて超繊細にしわを埋めていく方法を用いて、ご好評を頂いております。 持続期間は長い場合が多いです。
ヒアルロン酸注入のリスク
ヒアルロン酸注入治療に関しては、他の治療と異なり、異物の留置ということで、リスクとなる項目は多くなってしまいますが、ほとんどは正しい理解と豊富な経験、手術経験に基づく解剖学的知識で回避可能です。 どうぞご安心ください。
⇒特殊な鈍針を使用することにより組織のダメージを最小限に注入することが可能です。治療後のダウンタイムが気になることは少ないです。
⇒目の下など皮膚が薄い部位などの浅い層に注入した場合に、気になることがあります。赤く透けて見えたり青く見えることもあります。治療前にある程度の予想が可能なので、診察時によく相談することが重要です。
⇒鋭針を用いて浅い層に注入した際などに発生することががある炎症性色素沈着です。注入後の炎症が残っている間は、日焼けに注意したり、不必要に触ったりしないような注意が必要です。
⇒清潔な操作と抗生物質の内服を行うことで予防します。注入直後の患部な管理も重要です。非常に稀です。
⇒ヒアルロン酸はコラーゲンなどと異なり非動物性の皮膚充填剤なので、アレルギーは非常に稀でアレルギーテストも不要です。
⇒最も重篤は合併症です。ヒアルロン酸が血管内に注入される、もしくは血管を圧迫閉塞することで起こるとされています。注入部位の立体的な解剖学的知識を持ち、鈍針を使用して愛護的に注入することにより、ほとんどは回避可能です。非常に稀です。
⇒被膜形成によると考えられます。結果が好ましい状況であれば特に問題ありません。
ヒアルロン酸に関してよくあるご質問
このQ&Aの回答については、当院での診療を基準にしています。 当院以外のクリニックの診療に当てはまるとは限りません。 同じ治療機器・医薬品を使用していても、治療方法は大きく異なる場合も多々ありますので、予めご了承ください。
Q : 痛みが心配です
A : 痛みはとても少ないのでご安心ください。 ヒアルロン酸注入には2種類の注射方法があります。 ひとつは鈍針を使った方法、もうひとつは通常の鋭針(ふつうの注射針)を使った方法です。 鈍針を使った方法は、組織のダメージが小さく、痛みはとても少ないです。 以前に鋭針で治療されたことがある方はその痛みの少なさに驚かれることが多いです。 現在は、当院ではこの方法がメインです。 鋭針を使用する場合は、ごく限られた場合のみです。表情ジワなどに対して、ソフトなヒアルロン酸を、極細の針を用いて皮膚の浅い層のみの治療する場合です。表層は表面麻酔がよく効きますので、痛みに関してはご心配されるほどのものはありません。
Q : 赤みや腫れ、内出血が心配です
A : 注入方法によって違いますが、通常はほとんどありません。 ヒアルロン酸は前述したように、2種類の方法があります。 鈍針を使用した方法では、繊細な治療をすることにより皮下の組織(血管も含む)をほとんど傷つけずに行うことが可能です。 腫れや内出血は組織の損傷が原因で起こりますので、この方法では、ダウンタイムはほとんどありません。 ただし、治療当日は注射跡の部分は少し赤みがあるのと清潔に保つ必要がありますので、フルメイクは翌日からとなります。 鋭針での治療は、皮膚表面に極細の針でヒアルロン酸を細かく注入しますので多少の赤みは出てしまいます。 ただし、大きな血管が存在する深い層にはダメージがありませんので、目立つ内出血などが出る可能性はとても少ないです。メイクは翌日から可能です。
Q : 使用するヒアルロン酸の種類は何ですか?
A : 基本的にアラガン社のジュビダームシリーズとガルデルマ社のレスチレンシリーズを使用します。 どちらも日本国厚生労働省の承認を得たヒアルロン酸であり、粒子の滑らかさ、持続期間の長さ、シリンジ(注射器)の使いよさの点でとても優秀なヒアルロン酸製剤であると言えます。一部のソフトなヒアルロン酸は現在承認品がないため、スイスのテオシャル社製品を使用します。その他の未承認製品はよほどのメリットがない限り使用する理由はありません。
Q : 効果はどのように現れますか?
A : 即効性がありとても分かりやすい効果です。 ヒアルロン酸の効果のメカニズムはとても単純です。 組織の中にゼリー状のヒアルロン酸を注入することにより組織のボリュームが増し、ふくらむことで効果が出るというものです。 「しわが浅くなった」「」ボリュームが出た」など治療直後から目に見える分かりやすい効果を実感できます。
Q : 持続期間はどれくらいですか?
A : 持続期間がとても長い場合があります。ヒアルロン酸は、体内でゆっくりと吸収される物質です。 したがって、基本的には徐々に減っていきますので、限られた持続期間のある治療です。 通常ヒアルロン酸の持続期間に関しては、6か月~12か月とされています。 しかし、通常の吸収が起きにくい条件(部位、深さ、注入方法など)が揃うことにより、本来の持続期間より大幅に長く残存する場合があります。 このようになった場合には、何年も吸収されにくいという状況もあります。 詳しくは診察時に医師に直接お尋ねください。
Q : 自分の血液を使う治療(PRP)とどう違うのですか?
A : PRPとは根本的に違う治療です。 PRPは多血小板血漿療法のことです。ヒアルロン酸は、ゼリー状の液体によりボリュームを出す方法です。 詳しい説明は割愛しますが、PRPは血小板が放出する成分により皮膚自体の質的改善を図る方法であり、ボリュームを出す方法ではありません。 ただし、PRPも液体を注射しますので、治療直後は膨らみが出ますが、これは数時間で引いてしまう一時的なものです。ときに PRPの症例写真で治療直後の写真が使われていることがあるため、誤解されることがありますが、実際の効果ではありません。 純粋なPRP療法は患者様ご自身の血液成分のみを使用する安全な治療なのですが、即効性や効果の面で満足な結果が得られることが少ないため、当院では導入しておりません。このようなPRPの欠点を補うために、成長因子製剤を添加して注射する方法が行われていることがありますが、これは自身の血液成分ではないので正確にはPRPとは全く別物です。 以前から、この方法により起こり得る健康被害について議論されています。当院ではこのような治療法は一切行いません。
Q : コラーゲン注入とどう違うのですか?
A : 皮膚充填剤の治療において、ヒアルロン酸が登場する前はコラーゲン注入治療が主流でした。 当時は牛由来のものを使用しており、その後、狂牛病との兼ね合いや動物性蛋白質故のアレルギーの頻度などからその需要は少なくなり、消えていきました。 その後人由来のコラーゲン製剤も登場しましたが、ヒアルロン酸の登場と共にその需要は少なくなり、やはり消えていきました。 コラーゲンとヒアルロン酸は治療原理は全く同じです。どちらもボリュームの追加です。 ボリュームとなる物質は、身体に優しくある程度の期間で吸収される物質であれば何でもよいです(こちら参照)。コラーゲンもヒアルロン酸もどちらも皮膚の構成成分であるため、皮膚自体への改善効果を期待しがちですが、基本的にはそのような効果はありません。 「コラーゲンは皮膚を構成している主成分なので、コラーゲン注入の方がいいのではないか」と患者様に聞かれることがあります。 そもそも、皮膚のコラーゲンは、外部より注入して増えるものではありません。 皮膚の真皮層において繊維芽細胞が生成することでエラスチンと共にネット状の構造を形成し、皮膚の強さ・弾力を作っているものなのです。 最近では、人由来のコラーゲン製剤が復活しています。 しかし、持続期間の長さ、粒子の大きさによる製剤のバリエーション、非動物性であるが故のアレルギーの少なさ、そしてなにより溶解注射が存在しているということなど、さまざまな理由より、今のところヒアルロン酸を超えるメリットを感じることがないため、当院では導入する予定はありません。
Q : カルシウムハイドロキシアパタイト製剤との違いは?
A : カルシウムハイドロキシアパタイト注入治療とヒアルロン酸注入治療の原理は同じです。 カルシウムハイドロキシアパタイトとは、脳外科領域や形成外科領域において骨の代替成分として使用されてきた歴史があります。 注入用のものは、これを粒子の小さなペースト状にして注入用に製品化したものです。 ヒアルロン酸より、持続期間が長いという宣伝で登場した製品ですが、使用経験より、少なくとも皮膚および皮下への使用においてはヒアルロン酸を大きく超えるような持続期間を実感することはできませんでした。 ヒアルロン酸と吸収という面のみで比較した場合、確かに吸収されにくいのかもしれませんが、ヒアルロン酸のばあい、実際にはさまざまな条件が揃うことで吸収が大幅に遅れ、結果的に長い持続時間に繋がることが多いのです。(詳しくはこちら) これに加え、製剤のバリエーション、ジェルの滑らかさ、素材の色、溶解注射の有無などの面でヒアルロン酸を超えるメリットが見つけられないため、当院では導入の予定はありません。
Q : ヒアルロン酸以外の注入剤を使わない理由を教えてください
A : ヒアルロン酸を超えるメリットがないと考えるためです。 前述のように、ヒアルロン酸を超えるメリットを感じることが出来る皮膚充填剤は、今のところありません。そのため、わざわざヒアルロン酸以外のものを使用する必要がないのです。 皮膚充填剤としてのヒアルロン酸の歴史は長く、この歴史が途切れたことはありません。 これは安全性と安定した効果を物語っています。そして何より大切なのは、溶解注射があることです。 溶解注射を使用するような機会は滅多にありませんが、万が一のときにないと非常に困ります。 厚生労働省に承認を受けたことも考え合わせれば、他の選択肢を選ぶには相当の理由が必要になると考えます。
Q : ヒアルロン酸ができない人は?
A : ヒアルロン酸ができない可能性のある方は以下の通りです。 ・ヒアルロン酸に対してアレルギーを起こしたことがある方 ・局所麻酔薬に対してアレルギーを起こしたことがある方 ・ヒアルロン酸以外の他の注入剤が入っている部位を治療希望の方 ・自己免疫疾患をお持ちの方 ・ステロイド内服中の方(使用量による) ・糖尿病の方(程度・コントロールによる) ・抗凝固薬を使用中の方(状況による) など 状況をお話し頂いての判断になります。 詳しくは診察時に医師にご相談ください。
Q : 他の治療との併用は可能ですか?
A : レーザー治療などとの併用は特に問題ありません。 ヒアルロン酸は皮膚に影響を及ぼすことはありません。 従って、皮膚に対するレーザー治療などとの併用は問題ないことが多いです。 ただし、治療順にはある程度の決まりがありますので、詳しくはお問い合わせください。
Q : 知人が額のしわにヒアルロン酸を注入したらミミズ腫れのようになり、余計に目立つようになってしまいました。どうしてですか?
A : 額のしわは、通常は表情じわです。表情じわとは、表情を作った時に出現するしわのことです。 表情を作っていないときには、しわが出ている場合も、出ていない場合もあります。 表情を作っていないときにしわが出ていない状態に対して、ヒアルロン酸を注入した場合上記のような状況が起きやすいです。 このようなしわに対しての第一選択はボトックス治療です。 ボトックスは表情筋に作用し、表情筋を弛緩させ皮膚を引き伸ばすことによりしわを改善させます。 表情じわに対してのヒアルロン酸治療は、適応に関する状況判断や手技がとても難しいです。 表情によるしわの変化を見極め、しわの凹みに対して過不足なく極微量のヒアルロン酸を注入するには、相当の繊細さが必要です。
Q : 凸凹にならないか心配です
A : 通常は大丈夫です。 ヒアルロン酸の注入後に凹凸になる場合は以下の場合です。 ・注入手技が悪く一定の層(深さ)に均一な注入ができていない ・浅い層に粒子の大きなヒアルロン酸を注入した場合 ・以前に治療したことのある部位など、癒着がある部位に注入した場合 など どれもしっかり診察し、適切な手技で行えば、まず問題になることはありません。
Q : 価格はどのように決まりますか?
A : 使用するヒアルロン酸の種類と量により決まります。 ヒアルロン酸には、粒子の大きさによりバリエーションがあります。 浅い層には、粒子の小さな軟らかいもの、深い層には、粒子の大き目の硬めのものが適しています。 ヒアルロン酸の料金は、この種類と使用する本数(量)によって異なります。 最終には、診察にて医師とご相談の上、決めて頂くことになります。
Q : 1回の治療で余った場合は、保存しておいて次回使用することはできますか?
A : ヒアルロン酸の再使用は一切行いません。 当院では、ヒアルロン酸を適正使用しております。 患者様お一人につき、新品の製品1本(1㏄)を1回の治療で使い切るのがルールです。 そもそもヒアルロン酸は滅菌パックされています。 一度開封した製品を再滅菌することなく滅菌された状態を保つのは不可能だと考えています。医師の裁量により、行っているクリニックもあるようですが、当院では、衛生上の理由により一切行いません。 当然ですが、1本の製品を複数の患者様で使いまわすようなことは、一切いたしません。
Q : 0.1㏄単位で購入できますか?
A : 当院では1㏄単位での治療となります。 当院では、ヒアルロン酸を適正使用しております。 患者様お一人につき、新品の製品1本(1㏄)を1回の治療で使い切るのがルールです。 そもそもヒアルロン酸は滅菌パックされています。小分けにする操作を滅菌された状態で行うのは不可能です。 医師の裁量により、行っているクリニックもありますが、衛生上の理由により、当院では一切行いません。 当然ですが、1本の製品を複数の患者様で使いまわすようなことは、一切いたしません。
Q : ヒアルロン酸治療で血管閉塞が起きたときの症状は?
A : 血管閉塞⇒血管塞栓といいます。ヒアルロン酸注入治療における最も重篤な合併症です。 注射針の先端が血管内に入った状態で、ヒアルロン酸を注入した場合に、ヒアルロン酸で血管が詰まってしまい、最悪の場合には皮膚が死んでしまったり(壊死)、失明するというものです。滅多に起きることではありませんが、起きてしまった場合には重篤になる場合があります。 皮膚壊死の場合の症状は、まず皮膚の色が変わります。 詰まってしまった血管が動脈の場合は白く、静脈の場合は赤紫っぽくなると思われます。 どちらにしても、その後血流障害が起きますので、皮膚が発赤し、ニキビのような湿疹や水泡ができたり、真っ黒のかさぶたができます。 注入治療後にこのような症状があるようなら、すぐにでも治療したクリニックに連絡して処置する必要があります。 失明など、目に関する合併症に関しては当院では全く分かりません。 このようなことが起きないよう、当院では、ヒアルロン酸注入の際には特殊な注射針(鈍針⇒こちら)を使用します。特別な場合を除き、ほぼ全例で使用します。 鈍針を使用して血管内にヒアルロン酸を注入してしまうことは、とても稀なケース以外では考えにくいです。ご安心ください。
Q : 顔が平たく見えます。頬にヒアルロン酸注入すると改善されますか?
A : 頬の高まりが少ない場合、もしくは老化による脂肪組織や骨の減少により顔が平たく貧相で老けて見えることがあります。 このような場合にヒアルロン酸注入がとても有効です。 特殊な注射針を用いますので、痛みも少なく、安全に目立たずに治療することができます。効果の持続期間もとても長い場合が多く、とても満足度の高い治療方法です。
Q : コラーゲン注入したら直ぐに吸収されてしまったのはなぜですか?
A : 吸収してしまったというよりは、その場所に留まることが出来ずに拡散(流れてしまうイメージ)してしまったのではないでしょうか。 効果の持続期間を重視するのであれば、ヒアルロン酸が優れていると考えています。 ヒアルロン酸は方法によっては、何年も効果が持続することがあります。 しかも、溶解注射が存在し、元に戻すこともできるので安全な素材だといえます。
Q : ヒアルロン酸で笑うと凸凹ができる?笑うと膨らむ?
A : 眼の下の影クマ(凹み)のヒアルロン酸治療で起きやすい現象です。 眼の下のクマは表情により深さが変わります。 一般的には、笑うと頬が持ち上がりボリュームが増えるので浅くなります。表情を作っていないときの凹みを基準にして、平らになるようにヒアルロン酸を注入してしまえば、笑ったときにはオーバーボリュームになるで膨らんでしまいます。 このようなことにならないように、表情による変化も考え合わせて注入する必要があるのです。
Q : ヒアルロン酸は取り置き(ボトルキープ)できますか?
A : 当院では、一度開封・使用したヒアルロン酸を保存して後日再び使用するようなことは一切しません。つまり1本(1㏄)を1回の治療で使い切ります。 ヒアルロン酸は滅菌処理されたものを使用するのが原則であり、添付文書にもはっきりと「再使用禁止」との注意書きがあります。 ヒアルロン酸注入治療は体内に異物を留置する治療であり、細菌感染に対しては非常に敏感にならなければなりません。 いくら清潔に?保存したとしても、中で細菌が繁殖している可能性があり、注入後に感染の問題が起きる心配があります。
Q : ヒアルロン酸1本の量は?各部位の注入量の目安は?
A : 当院で主に扱っているヒアルロン酸の規格は 1本=1㏄です。どこの部位にどれくらい必要かは、気になる部分の状態・ご希望にもよるため一概には言えませんが、以下に当院でのおおまかな目安を記します。
・目の下のクマ:1㏄ ・頬のボリュームダウン:1~2㏄ ・法令線:1~2㏄ ・マリオネットライン:1㏄ ・表情ジワ:たくさんの部位を注射しても1㏄で充分なことが多い ※すべて両側での必要量です など ヒアルロン酸は、ただ注入すればうまくいくというものではありません。 他の治療以上に、注入する技術で結果が異なります。なるべく少ない量で、効果を出すのも技術のひとつです。
ヒアルロン酸注射は透けてしまった場合、青く見える?
A : 目の下などの皮膚が薄い部位や、皮膚の浅い層に注入した場合に、ヒアルロン酸が透けて見えることがあります。 たいていは、青っぽく見えることが多いです。 ヒアルロン酸自体は透明なゼリー状をしていますが、体内だと水分が光を吸収する関係で青く見えるようです。 手背などの血管が透けて見えるのと同じで、物理的な現象なので避けようがありません。気になる場合にはヒアルロン酸を溶かしてしまう以外の方法はありません。 治療前に予想できる場合が多いのでよく相談してから治療する必要があります。
Q : ヒアルロン酸のアレルギーが起きる可能性は?
A : 長年の治療経験がありますが、確実にヒアルロン酸のアレルギーと思われる例は一例もありません。したがって、あったとしても非常に稀なのではないでしょうか。 使用しているメーカーが限られているためかもしれません。メーカーにより製法などが異なりますので、アレルギーの発生率も異なる可能性があります。 一般的にヒアルロン酸にくらべて、動物性蛋白質であるコラーゲンは、アレルギーの発生率が高いと言われています。
Q : ヒアルロン酸とコラーゲン、どっちがいいの?
A : 当院では、ヒアルロン酸以外のフィラーを使用しません。 あらゆる点でヒアルロン酸が勝っていると考えられるため、必要性を感じないからです。 ヒアルロン酸を使用する一番の理由は溶解注射があるからです。 何か異常が起こった場合の溶解注射の存在はとても大きいです。
Q : ヒアルロン酸が吸収されない(持続期間が長い)のはなぜ?
A : ヒアルロン酸は体内の酵素によって徐々に吸収されるのが一般的です。 ただ、ある条件で吸収されにくい状況になることがあります。 注入する部位や深さ、注入方法や個人差などが考えられますが、このような状況になりやすい傾向は確実に存在すると思われます。 注入の効果が良好な場合は、持続期間が非常に長くなるということになりますので、患者様にとってはむしろ好ましい場合がほとんどです。 ヒアルロン酸には、溶解注射がありますので、問題があれば溶かしてしまえば、容易に元に戻すことが出来ます。⇒こちら
Q : ヒアルロン酸注入後に水ぶくれ(水泡)ができました。どのように対処したらいいですか?
A : ヒアルロン酸注入後に水泡ができることは滅多にありません。水泡が出来た場合に最も考えられるのは、血行障害です。 この場合は、なるべく迅速な診断と処置が必要になることが多いです。 患者様ご自身での対処法はほとんどないと思います。すぐにでも治療したクリニックでの診察が必要です。
Q : ヒアルロン酸をほうれい線に注入したところ余計に目立つようになりました。なぜですか?
A : 法令線のヒアルロン酸注入は、法令線の凹みに沿ってヒアルロン酸を注入し、凹みを持ち上げるのが一般的です。 法令線にもいろいろな状態があり、表情ジワとしての要素が強い場合は、注入の深さによっては、法令線のシワ部分にヒアルロン酸が残りにくく、周りに拡散してしまうことがあります。 ヒアルロン酸が凹みに残らず、周りにボリュームをつければ法令線が余計に目立ってしまうことも考えられます。状態に合わせた注入方法を採る必要があります。
Q : 法令線のヒアルロン酸注射は法令線の外側に注射して皮膚を持ち上げるために行うのですか?
A : 法令線のヒアルロン酸注入は、法令線の凹みに沿ってヒアルロン酸を注入し、凹みを持ち上げるのが一般的です。 法令線の外側にヒアルロン酸を注入すれば、頬との段差が大きくなり、法令線が余計に目立ってしまう可能性があります。 頬の中央付近にヒアルロン酸を注入して、頬を持ち上げて法令線を改善させる方法はありますが、頬を持ち上げるほどの効果を求めると、注入するヒアルロン酸の量はかなり多くなります。
Q : 目の下のヒアルロン酸の持続期間はどのくらいですか?
A : 経験上、目の下のクマに対するヒアルロン酸注入は、他の部位と比べても最も持続期間が長いです。 数年経過しても治療直後とほとんど変わらないことも珍しくないです。 完全に元に戻るまでには相当の時間が必要だと思います(溶解注射がありますので、必要があれば元に戻すのは容易です)。 したがって、ヒアルロン酸注入での一般的な認識である定期注入は必要がないことがほとんどです。
Q : インディアンえくぼにヒアルロン酸は入りますか?えくぼにヒアルロン酸注射は有効ですか?
A : インディアンエクボに限らず、エクボにヒアルロン酸注入は可能ですが、効果が長持ちするかは分かりません。 エクボとは、皮膚に表情筋が作用してできます。その部分では皮下脂肪が少なく、皮膚の裏側に筋肉が付着しているイメージです。 ヒアルロン酸はゼリー状とはいえ、液体ですから拡散する性質があります。 このような負担がかかる場所には、安定しにくいと考えられます。
Q : ヒアルロン酸を注入したら肝斑が出ました。どうしてですか?
A : ヒアルロン酸治療と肝斑の悪化は、通常あまり関係ありません。 ヒアルロン酸は皮膚または皮下にヒアルロン酸が入るだけの治療です。 皮膚に対しての作用は通常ありません。肝斑は、ホルモンの状態や、日焼け、擦る刺激や炎症の刺激などで悪化します。 ヒアルロン酸治療後に、何等かの炎症(感染やアレルギーなど)が起こった場合は、肝斑が刺激される可能性がありますが、非常に稀だと考えられます。
Q : ヒアルロン酸で血管塞栓になりやすい危険性の高い場所はありますか?
A : ヒアルロン酸の最も重篤な合併症は血管塞栓です。 基本的にどの部位でも起こり得ると考えられますが、起こりやすい傾向のある部位はあります。 鼻・眉間・法令線です。特に鼻と眉間に関しては、非常に重篤な合併症が多数報告されています。 ヒアルロン酸による隆鼻は、限られた効果しか期待できない割に、このような合併症のリスクもあるので、当院では基本的に行っておりません。
Q : ほうれい線やマリオネットラインにヒアルロン酸注入したら、外側に入れられ、余計に目立つようになってしまいました
A : 治療の仕方によっては、この現象はあり得ます。ほうれい線もマリオネットラインも特徴が似ています。どちらも凹みと言うよりは段差です。頬の下垂により、ほうれい線やマリオネットラインの外側に余った皮膚が溜まることによりできた膨らみが作る段差なのです。この部位のヒアルロン酸治療は段差の緩和を目指します。しかし、効果を求めるあまり、ヒアルロン酸を多く入れすぎてしまうと、たるみによる膨らみが強調され、ヒアルロン酸を入れた部分の内側に新たな段差ができてしまいます。これでは治療の意味がなくなってしまうので、そうならないよう注意しながら治療する必要があります。
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ヒアルロン酸注入(医師による施術)
レスチレン・リド ジュビダームビスタウルトラXC テオシャルリデンシティーⅡ ⇒目の下のクマなど 表情ジワ用ヒアルロン酸 レスチレンヴィタールライト・リド | 1本:1㏄ | 休止中 |
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レスチレンパーレン・リド ジュビダームビスタウルトラプラスXC ⇒頬・法令線など | 1本:1㏄ | 休止中 |
ジュビダームボリューマXC | 1本:1㏄ | ¥97,500 (税込¥107,250) |
ピクセルカニュラ (レスチレン用特殊注入針) | 1本 | 休止中 |
マイクロカニューレJ (ジュビダーム用特殊注射針) | 1本 | ¥2,000 (税込¥2,200) |
※同日2本以上で2本目以降10%OFF ※麻酔を使用する場合別途¥1,500 (税込¥1,650)必要になります。 ※治療後の内服薬代別途¥900 (税込¥990)が必要になります。 ※当院では衛生面での安全を最重要視しておりますので使用途中のヒアルロン酸のお取り置きや1本を小分けにして使用するというようなことは一切いたしません。